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【FF10】緋色のそばに

第4章 ルカ




「それから……こいつを連れていく」


そう言ってアーロンはティーダを私達の前に差し出す。

ティーダは相変わらず不機嫌そうで、ぶすっとした顔で言葉を続ける。


「……ども、よろしく」


「こっちはジェクトとの約束だ」


_____やはり彼はジェクトの息子なのか。

ティーダがユウナに話したことは嘘じゃなかったらしい。
アーロンがいうなら間違いないだろう。



「ジェクトさんはお元気なんですか?」

ジェクトの名前を聞いてユウナは気になったらしくそう質問する。

だけど、返ってきたのはそっけない返事。



「……知らん、10年前に別れたきりだからな」


「そう……ですか」



アーロンの返事を聞いてしょんぼりした顔で落ち込むユウナ。
それを察したのかアーロンは付け足して答える。



「そのうち会えるさ」


「…はい!楽しみにしています!」


その言葉に納得したのかユウナは嬉しそうに微笑む。

するとアーロンは辺りを見回す。
その様子は誰かを探しているように見える。


「あいつは目を覚ましたか?」


「サーシャさんならついさっき目を覚ましましたよ。

ほら、そこです」


ルール―は私がいるベンチを指さす。
その瞬間彼が一瞬こちらを見たが、すぐに目をそらす。



「無事ならいい。…これからの予定を説明してくれ。
次はどこの寺院だ?」
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