第4章 ルカ
「それから……こいつを連れていく」
そう言ってアーロンはティーダを私達の前に差し出す。
ティーダは相変わらず不機嫌そうで、ぶすっとした顔で言葉を続ける。
「……ども、よろしく」
「こっちはジェクトとの約束だ」
_____やはり彼はジェクトの息子なのか。
ティーダがユウナに話したことは嘘じゃなかったらしい。
アーロンがいうなら間違いないだろう。
「ジェクトさんはお元気なんですか?」
ジェクトの名前を聞いてユウナは気になったらしくそう質問する。
だけど、返ってきたのはそっけない返事。
「……知らん、10年前に別れたきりだからな」
「そう……ですか」
アーロンの返事を聞いてしょんぼりした顔で落ち込むユウナ。
それを察したのかアーロンは付け足して答える。
「そのうち会えるさ」
「…はい!楽しみにしています!」
その言葉に納得したのかユウナは嬉しそうに微笑む。
するとアーロンは辺りを見回す。
その様子は誰かを探しているように見える。
「あいつは目を覚ましたか?」
「サーシャさんならついさっき目を覚ましましたよ。
ほら、そこです」
ルール―は私がいるベンチを指さす。
その瞬間彼が一瞬こちらを見たが、すぐに目をそらす。
「無事ならいい。…これからの予定を説明してくれ。
次はどこの寺院だ?」