第4章 ルカ
マイカ総老師とはエボン4老師の1人でこのスピラで一番偉い人物。
今年は総老師50周年記念大会ということで、はるばるベベルから観戦に来られたようだ。
3番ポートに着くと案の定人だかりができていた。
それに混ざり、私はあまり顔が見られないようみんなから少し離れたところから見ることにした。
しばらくすると青い髪をした青年が船から降りてくる。
その青年をみて、私は思わず拳を強く握りしめる。
なぜなら彼は……
よく知っている人物だったからだ。
「おそれ多くも老師の位を授かりました、シーモア=グアドと申します」
青年は爽やかに挨拶を終えるとユウナを一瞥し、そして離れたところにいる私の方にも視線を向ける。
それに一瞬動揺したが、気づいていないふりをした。
彼は私の事を覚えているのだろうか…
知りたくはないが。
深くは考えず、気合いの入ったワッカを追うように選手控え室へと向かった。