第4章 ルカ
次の日ルカに着けば、港の入り口にはものすごい数の人がブリッツの選手を今か今かと待っていた。
前にもワッカの試合を見に訪れたことはあったけど、ここに来る度にブリッツボールの人気の高さを感じる。
いざワッカ達が船から降りれば最弱伝説だの、初戦敗退記録だの言われたい放題で……
まあ実際事実なのだから悔しいところである。
しかもそのあとのルカ・ゴワーズの贔屓加減といったら凄かった。毎度のことなのでなんとも思わなくなってきている自分がいた。
「…納得いかなっス」
この扱いはいつものことだとワッカは自嘲するがそれに納得いかない新人君がどこからかスピーカーを持ってきて大きく叫ぶ。
「チョーシ乗んなよゴワーズ!」
彼の声は港中に響きわたった。
周りにいた人たちは何か言ってるぞあいつ。と冷やかすが彼はそんな声には気にも留めない。
そんな彼の度胸の強さにまた彼の父親の姿を思い出していると、どこからか声が聞こえる。
「マイカ総老師ご到着だぞ!」
その名前を聞いて私は密かにひやりとしたが表情には出さずに平静を装った。
そんなことは知らずユウナが陽気に話しかけてくれる。
「サーシャさん、私達もお迎えに行きましょう!」
「…そうね、行きましょうか!」
まったく乗り気ではないが、ここで断る理由もないので私も周りのみんなに合わせて3番ポートに向かった。