第3章 キーリカ寺院
「はあ…サーシャさんはどう思います?」
そんなワッカの様子に呆れながらルールーに問いかけられる。
私は10年前ユウナの父である大召喚士ブラスカに会ったことがあった。もちろんティーダの父であるジェクト、そしてもう一人伝説のガードと言われているアーロンにもだ。
マカラーニャの森で魔物と戦っている最中、彼らが劣戦を強いられていたので、少し手助けしてあげたのだ。
その戦いで負傷した彼らを一週間ほど家で看病した経緯がある。
そのときにジェクトとの話で故郷がザナルカンドであることと息子がいるということは聞いた気がするが、10年も前の事であるので記憶が定かではない。
そしてこの話はこの子たちには、あまり話をしたことが無かったのでどこまで話せばいいか迷いどころだ。
「そうね、でも私もワッカと同じ意見かしらね。」
「え?」
「あの子たちが決めたことに反対するつもりはないかな。」
自分で考えてそうしたいと思うならば、たとえ周りから反対されてもそのまま突き通すことに意味があると私は考えるから。
「ルールーは重く考えすぎよ~なにかあったら私が何とかするわ。…だからあの子たちを信じてあげて?」
私からのお願いにルールーはやれやれと言っているような顔していたが、最終的には納得してくれたみたいだ。
その後ルールーとワッカはまだ話を続けていたので私はその場を後にし、先に休むため自分の部屋の客室に向かった。
次の目的地であるルカはブリッツの大会が毎年開催されるほど大きい都市だ。
_____もしかしたらあの人に会えるかもしれない
そんな期待を持ちつつ私は瞼を閉じた。