第3章 キーリカ寺院
無事にイフリートの力を得たユウナと私達はまた船に揺られている。
次はブリッツの試合が行われるルカに向かっていた。
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その夜、船の2階で私とルールーとワッカはティーダについて話していた。
「ユウナがガードにしたがっている」
話の初めから核心をつくルールー。
それにワッカが疑問を投げかける。
「なあ、何でユウナはあいつをガードにしたがるんだ?」
「ジェクト様の息子だからよ」
ルールーはそう即答した。
ティーダがあのジェクトの息子なのだとユウナが本人から聞いたらしい。
ジェクトとはユウナの父親である大召喚士ブラスカのガードとしてスピラでは知らないものがいない男の名前だった。
ユウナもジェクトと親交があったらしく、その息子だと名乗るティーダに興味を持つのは当然のことだろう。
…まあ今となってはそれだけではないのだが。
「ホントにジェクト様の息子なのか?」
「真実はともかくユウナはそう信じてるわね」
「なるほど」
「なるほどなるほどってあんたちゃんと考えてるの?」
適当に答えるワッカにルールーが怒り、またお決まりの夫婦喧嘩が始まってしまう。
2人が真剣な話を始めても最終的にこんな感じになってしまうのはもう慣れたものでスルーすることにする。
「考えているけど、結局はあいつらがどうしたいか、だろ?」
「まともなこと言うじゃない」
「へへん!」
ワッカは得意げな顔をするがたぶんルールーは褒めているつもりはないと思うぞ心の中で呟く。
そんな2人の相変わらずのすれ違いっぷりに私は思わず苦笑いをこぼしてしまうのだった。