第3章 変わりゆく日々
「りささんって、
出来る女って感じで素敵ですね!
あんな風になれたらいいな・・・
って、おこがましいか」
りささんの名前だしっちゃった。
「まぁ、仕事は出来るけど・・・
みうちゃんは
あんな風にならなくてもいい」
「え?」
「愛嬌をなくした女は可愛げない」
「私とかけ離れてるけど
りささんみたいなクールな女性に
憧れますよ~!」
「憧れなくていい。
みうちゃんは、
みうちゃんらしくいたらいいんだよ」
そう言って、
私の頭をポンポンした。
心臓の音が聞こえるんじゃないかと思うくらい
ドキドキした。
私が通した案件なので
私が指揮を取り
田中さんにも手伝ってもらいながら
なんとか当日を迎えた。
滞りなく終わるはずが
1つ抜けている所があり
少々、ざわついた。
あんだけ確認したのに・・・
いきなり成功って難しいのかな。
でも、ミスはミス。
謝罪行脚をしなくちゃ。
あれ?
田中さんとりささん・・・
「おまえだろ、やったの」
「何よ、知らないわよ。」
「あんなことするの、お前しかいない。
俺に対してならいいけど
他を巻き込むな」
「私がやったなら、どうすうのよ」
「営業部に来て、謝ってもらう。
みうちゃんが悪いんじゃないって」
「ふ~ん。
あの子のこと好きなんだ」
「そ、そんなんじゃない。
仕事のことだろ!」
「私は謝らないわ」
「おまえ、変わったな」
「変わらない方がおかしいのよ。
いつまで、同じとこで立ち止まってるの?
企画部への異動も断ってるみたいだし」
「おれは、営業が楽しいんだ」
「楽しい・・・
そんなのステップアップするには
いらない感情だわ。
じゃ、後始末よろしく~」
え?
りささんの仕業だったの?
田中さんが企画部へ異動?
なんか、よく分からない。
「みうちゃん・・・
今の聞いてたよね・・・」
「はい・・
失礼します!」
そう言って、その場から逃げた。
もう何も知りたくない。
涙が流れた。
なんの涙?
仕事の邪魔をされたから?
田中さんが遠くに行ってしまいそうだから?
分からない分からない。