第3章 変わりゆく日々
同じ部署なので、
嫌でも顔を会わさないといけない。
「私の確認不十分でした。
同じ仕事、次はないと分かっていながら
本当に申し訳ありませんでした。」
「いや、僕のミスです。
彼女はまだ指導下であるのにも関わらず
細部まで確認していませんでした。
申し訳ございませんでした」
え、田中さん?
[まぁ、今回は損失もないし
軽いことで済んだけど
気を付けてくれよ]
「「はい!!!」」
「田中さん、さっきはありがとうございました」
「みうちゃんが悪いんじゃないから。
俺が悪いの。
気にするな。」
「田中さんは、
どうして企画部に行かないのですか?」
「営業が楽しいから。
自分の話術で、相手を落とせるかどうかって。
前も言っただろ?
それに・・・
まだまだ、みうちゃんに
教えなきゃいけないことが、たくさんある」
私はウルウルと涙を浮かべいていた。
そんな時、
ふわっと抱きしめられた。
あ、私はこの人が好きだ。
そう思うと、余計に涙が溢れた。
田中さんは
きっとりささんのことが
まだ好きなんだと思う。
叶わない恋の始まり。