第3章 二話 首が飛ぶ京
斎が首に巻き付いている真っ白な鎌鼬を優しく撫でると、
不思議な事に、白銀に輝く刀が握られていた。
斎の術力では式神は変幻自在なのだった。
「落ちぶれ付喪神が」
術師とは思えない冒涜の言葉。
「我は…」
「大層名のある刀だった。が、持ち主がココで死んで、自分も誰にも知られず錆びれていった」
「なっ!」
「その鬱憤を晴らす為、死にかけた人の首を切っていたのだろ」
「何故それを…貴様何者だっ!」
「ただの術師だよ」
そう言って冴えた笑みを浮かべる斎の瞳は金色に輝いている。
「お前の心情くらい見抜けなくては術師などやっていられないよ。
それより、早く、その軀から出て行け」
『出て行け』と言った斎の口に、覗いた白い犬歯。
糸切り歯にしては長い。
「私でさえその軀をモノにしていないのだ、貴様などには渡さぬ」
「…は、は、ははははは……
…そうか、お前がそうか……ククク…
お前の正体、見破ったり‼︎」