第3章 二話 首が飛ぶ京
「これは…」
基兼が探していた光る何かは、全く光っていなかった。
鈍い輝きさえもない。
錆びついた短い
「刀?」
雨ざらしだった為か柄も刃もボロボロ。
惹かれるように基兼は近寄る。
(基兼)
小鳥の晴明が注意を促すが、
そのまま、手を伸ばす。
「‼︎⁉︎」
(重い…なんだ…この重さ…)
基兼は錆びた刀を落としそうになって膝を付いた。
(基兼!刀を離せ!離すんだ‼︎)
何かに気付いた晴明が基兼の周りを羽ばたきながら、声を上げた。
「離す…?何故?」
(基兼っ‼︎しっかりしろっ‼︎)
「小五月蝿い術師だ」
基兼の口から基兼らしからぬ言葉を吐いて、手を振り上げる。
ヒュッッと黒い霊気が放たれ、
小鳥の体が地に叩きつけられた。
「グッ、ぅあっっ」
晴明の軀がビクッと跳ねて呻き声を上げた。
「…ッッ…弾き飛ばされた……」
横たわっていた晴明が起き上がり頭をふる。
「斎…基兼…」
晴明は心配そうに外を見た。