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物の怪の札

第3章 二話 首が飛ぶ京




しかし、
「おーい、斎〜?
いるのか〜?斎〜?
さーい!」
馬を進めながら声に出して呼び続ける基兼。
(やれやれ…煩いこと)


幾分行ったところで、基兼が馬を止めた。
(どうした?)
「晴明様、あの竹林に…何か、あります」
(竹林…だいぶ向こうのな…)

小鳥の晴明は基兼を驚きの眼で見上げた。
何故なら、ここから竹林がある事は人の眼には見えない。
しかも、ここから直線の場所、
そこに、霊気を帯びた何かがある。
それに基兼が気付いたと言うことに、晴明は驚いた。





一方斎は暗闇を彷徨っていた。
彷徨っていると言うよりは、目標に向かって暗闇を縫い歩いていた。
その闇


光の方は
基兼が晴明を頭に乗せ、
竹林を縫うように歩いていた。


光りと闇。
表と裏。
上と下。


何かを一枚隔てたその向こうとこちら。
それは生と死。




(斎、斎…何処だ…)

基兼は馬を降りて竹林を縫い歩いていた。
光何かに向かって。
斎を探して。







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