第3章 二話 首が飛ぶ京
人には思念がある。
動物にもあるだろう。
物にはないのか?
物にだって有る。
そう考えるのが常。
物に思念があると言うのは、
人の思念が大切な物などに乗り移るからだ、と斎は考えている。
無念、怨念、敬慕、慈愛、
そんな人の想いが、物に憑く。
物につけば付喪神
人に憑けば怨霊
動物に憑けば妖怪 となる。
(斎ーーっ)
「基兼?」
声が聴こえた気がした。
馬の頭に小鳥を乗せて基兼は馬を進める。
「こっちですか?」
(ああ、そのまま進め)
鳥から、
いや、鳥を通してか、頭の中に晴明の声がする。
それを聴きながら、基兼は馬を進めていた。
「小鳥が晴明様なのですか?」
(いや、小鳥の軀を借りているだけだよ)
「借りて…です、か…」
理解できる様でなんとも理解できない。
まぁ、元々 奇異な存在なのだから、
理解しようがないのだ。