第3章 二話 首が飛ぶ京
ハッ‼︎
気が付けば、朝日に照らされる塀にもたれて座っていた。
「…ん…ココ…何処、だ…?
…斎は……?」
ハッキリしない、霞ががったような思考。
何処かの通りにいるのは間違いなさそうだが、斎はいない。
(斎…何処へ…行った?…)
周囲を探したが結局 斎は見つからず独り陰陽寮に帰ってきた。
「基兼、慌てているね、どうしたのかな?」
バタバタと晴明を探している処に本人が声を掛けてきた。
「晴明様っ!探していましたっ。
斎が…昨夜っ、斎が居なくなったんですっ」
「斎が…基兼、まぁ、落ち着いて」
基兼を落ち着ける為か、いつも通りか、
のんびりとした口調の晴明。
事情を聴いた晴明。
弱り顔で晴明の前に正座する基兼。
「そうか…ま、死んではいないようだよ。
気配はあるから」
(気配?どこに…?)
基兼には全く解らないが、晴明は何処か何かで感じているのだろうと思った。
同じ、力を持っているのだから。
(この人は、何処にいても斎を感じられるのだろうか)
そう考えれば晴明と言う人は怖ろしい人だった。