第2章 本当に生理…?
「ちょっと待て玲人!!」
なんの躊躇いもなく歩いていく恋人の後ろ姿に慌てて声をかける。
薬局の中に響くほどの大きな声に、周りの客の視線がこちらに集中するも、そんなことは関係ない。
「無理!絶対無理!!」
「無理じゃないって。大丈夫」
ぐっと玲人の服を握って必死に訴える俺を見下ろしながらけろっとしているこいつが酷く憎い。
「やだやだやだやだ!!!」
こればっかりは本当に嫌だ。
何が嫌だって、いや、これを嫌だと思わない男がいたら会わせて欲しいくらいだ。
いや、落ちつけ。
落ちつけ自分。
思考回路がうまく回ってないのは、はたから見てもよく分かるだろう。
それくらいに俺の頭はパニック状態に陥っていた訳で、玲人もさすがにこのままではヤバイと思ったのか、俺の手の中にあったナプキンを全て棚に戻した。