第2章 本当に生理…?
「ねぇ、あの子達…」
「うんびっくりした。ナプキンコーナーに何のようだろ?」
すれ違い様に聞こえた声にぞくっと背中に嫌なものが走り、また心臓がうるさくなる。
「でもすごく堂々としてたよね」
「うん。彼女のでも買いに来てるのかな…?」
そこで納得したのか女性客はそれ以上俺たちの事は言わずに、話題の化粧品の話を始めるのだった。
「……はぁー…」
余り悪いことを言われなかった事に安心して深く息を吐くと、玲人が顔を覗き込むようにして視線を合わせてきた。
「な?大丈夫だったろ?」
「…ん」
ニヤリと笑う玲人に釈然としない気持ちのままで頷く。
「じゃ、さっさと決めるぞ」
その言葉に俺も渋々棚に視線を戻した。
他の女性客にまた何か言われてしまう前に早く決めてしまおう、と意気込む俺であった。