第2章 本当に生理…?
必死の抵抗は簡単に受け流され、半ば引きずられるような形で俺と玲人は薬局の前にいた。
「俺は絶対嫌だからなっ!!」
「往生際が悪いぞ」
がっちりと掴まれた手首は押しても引いても離される事はない。
…っの、馬鹿力!!!
「大体っ!男同士で買いに来るもんじゃねえだろっ」
当然、生理用品のコーナーは男にとって未知の聖域だ。
薬局に来てもそのコーナーの前を通る時は目のやり場に困るような場所。
そんな所で堂々と選べる訳がない。
生理用品の前でナプキンを選ぶ俺達の姿を思い浮かべて、絶対無理だと頭を振ってその想像を打ち消した。
「考えすぎだって。皆気にしねえよ」
気にしない訳ねぇだろっ!!!
あーだこーだと言い合っているうちにも、玲人は俺を引っ張って店内に足を踏み入れる。
徐々にあのコーナーに近づいて行くのが分かり、俺の目には涙が溜まっていった。