第1章 き、きちゃった?!
っつか、何か背中まで痛くなってきたし。
手で背中を上下にさすりながらため息をついた俺の頭に、ある原因が浮かんだ。
……ま さ か。
そんなはずはない!
だが、身に覚えはあるっ!
さあっと顔から血の気が引き、俺は慌てて身だしなみを整える。
そのまま個室のドアを乱暴に開けるとそのままトイレを飛び出した。
放課後の学校の廊下をバタバタとうるさく走っていく俺に、校内に残っていた生徒の視線が突き刺さるが、今は気にしている暇はない。
一目散に目指すのは生徒会室。
生徒会長としてこの学校に君臨するあいつに文句を言う為だ。
「玲人ーーっ!!」
バタンッといきなり扉を開けた俺を出迎えたのは、優雅にコーヒーをすする玲人だった。