第1章 き、きちゃった?!
「…生理じゃねぇもん…」
ぼそっと呟くと玲人はよしよしと俺の頭を撫でる。
「でも血が出てんだろ?付けてた方がいいと思うよ。…生理じゃなくても一応な」
…それはそうかもしれない。
血が下着に染み付く度に下着を変えなくてはならないのは、面倒だ。
だからと言って、女子専用のアイテムを自分が身につけるとなればそれなりに勇気がいると言うものだ。
それでも動かない俺を見て、玲人は手の上に置かれた女子の必需品アイテムをテーブルに置いた。
「……?」
肩を掴まれて体を向き合うようにされた俺の頭上にクエスチョンマークが浮かぶ。
「圭が自分でしないなら…」
つ、と制服のシャツをなぞった玲人の指先が俺のズボンのベルトにかかる。
カチャッと金属が擦れる音…。
「…俺が付けてもいいよ?」
ぐっと近づいてきた玲人が俺の耳に唇を掠めるようにして呟いた。