第1章 き、きちゃった?!
ぐいっと顎を掴まれて、半ば無理矢理に俺とスマホの画面を対峙させる玲人。
仕方なく俺は画面に連なっている文字を目で追っていった。
……
………
…………
……………
「……?」
「……読んだか?」
ぱちぱちと瞬きをし動きを止めた俺を見て、玲人はこちらを伺うとスマホの画面を閉じてテーブルの上にコトンと置いた。
「………」
……は……?
もう文字の羅列を追うものはないのに、俺は未だに動く事が出来ず、スマホがあった一点を見つめたままでいた。
「おーい、圭…?」
ぱたぱたと目の前で上下に揺れる玲人の手に一瞬はっとなるも、言葉を繋ぐことが出来ない。
「……っ、…」
口をぱくぱくと数回動かした俺は、やがて頭を抱えてソファーに頭を埋めた。