第1章 き、きちゃった?!
ぼふっ!!!
「っ?!!」
俺の手から離れたクッションは見事、玲人の顔面にクリーンヒットした。
「もういいっ、別れてやるっ!!」
薄情者!!!
玲人なんか大っ嫌いだ!!!
そんな言葉は嗚咽に詰まった喉からは発せられず、ボロボロと涙を流しながら俺は立ち上がっる。
唇を噛み締めたまま走りだそうとした俺の足が、その一歩を踏みしめることは残念ながらなかった。
「待てって、落ちつけ!」
ボスッ…。
逃げる一歩前に玲人の腕に捕まり、俺の体はソファーに逆戻りしてしまった。
「離せよ!」
こんな情けない顔は見られたくない。
顔を隠すようにジタバタと暴れる俺の体を抱きしめて、玲人はスマホの画面をこっちに向けた。
「とりあえずこの記事を読んでみろ!」
「っ、…」