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もういちど。【ハイキュー!!】

第1章 出会い


「辻さん!わたし、朝倉りょうこ!よろしくね。」
肩先にはつかない長さのショートボブの彼女はにっこりと笑った。
「朝倉さん、よろしくね」
彼女の明るい笑顔にあずさもつられて笑って返す。

「名前で呼んでも良い?わたしのこともりょうこって呼んでほしい。」
「うん、良いよ!りょうこよろしくね!」

「あずさって北川第一中のバレー部だよね!大会で見たことあるよ!あのサーブとレシーブ見た時、興奮しちゃった!ベストサーバー賞も貰ってたよね!」

「あ、うん」
彼女の口からバレーの話が出た途端、胸の奥がギリギリと痛んだ。

「わたしもバレー部入るんだ!あずさと一緒にバレー出来るなんて嬉しい!」
そう嬉しそうに笑う彼女にドキリとした。
わたし”も”?と彼女は言っただろうか。

「え?」
「え?」
彼女の言葉を聞いて思わずこぼれた言葉に、彼女も同じように返してきた。

「バレー部、入んないの?」
「・・・うん」
「何で!?もったいない!」
「えっと・・・故障したんだ」
これ以上は触れられたくないと、故障したと嘘をついた。
りょうこは顔を顰めて無神経だったと謝罪する。
申し訳なさそうに謝る彼女にあずさは嘘をついた罪悪感で心の中で謝った。

これ以上追及されたくはなかった。
自分はコートに立ってバレーをすることはきっともう出来ないとそう思って悲しげにあずさは机の下でギュッとスカートを握りしめた。

「もう吹っ切れてるから大丈夫だよ」
彼女に罪悪感を抱かせない様にあずさは笑顔を貼り付けた。

「それでも!先走って無神経なこと言った!本当にごめんなさい!」
もう大丈夫だと言うあずさにりょうこは勢いよく頭を下げて何度も謝った。

彼女のそんな姿にバレーとは関係なく仲良くなりたいと思った。

「もういいよ。でも、バレーとは関係なくりょうこと仲良くなりたいな。仲良くしてくれる?」
あずさは彼女の方へ手を差し出した。

「もちろんだよ!こちらこそ仲良くして下さい。」
そう言って彼女は嬉しそうにあずさの手を握った。
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