第1章 出会い
1年生4人はジャージを羽織って並ぶと影山と日向は誇らしげな顔をした。
あずさも先輩たちに4人と一緒に並ぶように言われて隣に立つ。
澤村が口を開く。
「これから・・・烏野バレー部としてよろしく!」
澤村をはじめとした先輩たちは笑って1年生たちを迎えた。
影山と日向は顔を見合わせると「おす!」と答えた。
「辻さんのジャージもすぐに注文するからな!」
澤村が言うと、他の先輩たちもにこりと笑う。
わたしのジャージ?
とあずさは驚く。
わたしは違うんですと否定しようとしたが、既に先輩たちは散り散りになっていた。
「わたしマネージャー志望だと思われてる?」
疑問を口にすると影山が意外そうな顔をして「違うのか?」と言った。
「飛雄たちのこと手伝うとは言ったけど、マネージャーになるとは言ってないよ」
スーッと影山を見据えると
「あー、わりー。菅原さんたちにマネージャー志望だって言っちまった」
バツが悪そうに目を逸らした。
先輩たちの方を見ると「清水良かったなー、マネジャーの後輩が出来て」と嬉しそうに騒いでいるのが見える。
「腹括るしかないんじゃない?」
月島は笑ってあずさに言った。
清水先輩のあんな嬉しそうな顔を見てしまえば、いまさらNOとは言えないとあずさはがっくりと項垂れた。
ダダダっと誰かが走ってくる音が聞こえる。
「組めた!!組めたよーっ」ガララッと扉を開けて現れた男性は「練習試合っ!!!相手は県のベスト4!!青葉城西高校!!」と言った。
青城との練習試合に体育館が騒つく。
その男性は2人に目をとめる。
「おっ!君らが問題の日向君と影山君か!」
「「・・・おす」」
「今年からバレー部顧問の武田一鉄です!バレーの経験は無いから技術的な指導はできないけど、それ以外の所は全力で頑張るから宜しく!」
「「オス!」」
武田は影山たちから視線を外すとあずさに目を向けてにこりと笑った。
「君が辻さん?マネージャー志望だって聞いてるよ。清水さんを助けてあげてね!」
「・・・はい」
そうしてあずさは、烏野高校男子バレーボール部のマネージャーとなった。