第1章 出会い
バチッと視線があう。
しかし、すぐに逸らされてしまった。
昨日の今日だ、月島はまだ怒っているのだろう。
あずさもまだ腹の虫が治っていなかった。
美女マネジャーの清水を見つけあずさは「手伝わせてください」と駆け寄って準備を手伝った。
「よーし、じゃあ始めるぞ!月島達の方には俺が入るから」
澤村の掛け声で試合に向けてそれぞれが動き出す。
日向はどうやら澤村が月島たちの方に入るのが不満なようで声をあげている。
「小さいのと田中さん、どっち先に潰・・・抑えましょうかあ。あっそうそう王様が負けるとこも見たいですよねえ」
そう言って月島はチラリとあずさに視線を寄越した。
日向たちだけじゃなく、わたしまで煽ってくるんだからほんと、いい性格してるとあずさは心の内側が燃え上がるのを感じた。
ピーッと試合開始の笛が鳴る。
「そォォォらァァア!!!」
月島のブロックを吹っ飛ばして田中のスパイクが決まる。
田中への煽りは逆効果だったようだ。
まずは一点、あずさは影山・日向の得点板をめくった。
影山がトスを上げる。日向は高く跳ぶ。そして、打つ。
しかし月島のブロックに阻まれてしまった。
日向のスパイクは何度も何度も月島のブロックにつかまった。
大丈夫、得点はまだこちらがリードしている。
影山が得点を稼ごうとジャンプサーブを打つが。
強烈なサーブは澤村に切られてしまった。
さすが3年生、レシーブが安定している。
影山はまだ速攻を使っていない。
流れを変える一本がほしいところだ。