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もういちど。【ハイキュー!!】

第1章 出会い


2人の空気を感じ取ったのか山口くんは「2人とも落ち着いて!」と間に入ってきた。
山口には悪いが今回ばかりは月島を許せなかった。

「人の傷口に塩を塗るのは楽しかった?あんまり飛雄を虐めないであげてよ」
「とびお?」
あずさの言葉に月島は不機嫌さを隠そうともぜずさらに眉を顰めた。
「うん、月島くんが馬鹿みたいに突っかかってた影山飛雄のことだよ」
「馬鹿みたいってなにかな?僕は別に突っかかってないけど」
「そのまんまの意味だよ。アツくなってたのは月島くんの方もでしょ?」
チッと舌打ちした月島にあずさは宣言した。

「明日は絶対に負けないから」

「君と試合するわけじゃないデショ」
「飛雄と日向は絶対に月島くんになんか負けない」
そう言ってあずさは「とびおー!ひなたー!」と2人を呼びながら月島たちの横を通りすぎた。

たかが部活だとのたまう彼にバレーと真剣に向き合っている影山と日向が負けるとは思えなかった。

飛雄ってなんだよと顔を俯かせて悔しげに顔を顰めた彼をあずさは知らない。


「おせーよ。」
悪態をつく影山にごめんと謝った。
月島の煽りによって燃えている日向を横目にくすりと笑みがこぼれる。

未だ険しい顔をしている影山だが、日向がいるからきっと大丈夫だと思った。

「明日、頑張ろうね!」
あずさが思いっきり笑って言うと、2人から当たり前だと力強い返事が返ってきた。

また喧嘩を始める2人だけれど、朝のような不安はない。


3対3当日。

あずさは第二体育館へ足を踏み入れた。
「お邪魔します!」
既にバレー部員たちが準備を始めていた。

あずさに気づいた菅原が手招きをする。
「辻ちゃん、こっちこっち」

「おはようございます!」
菅原の方へ駆けていくと菅原よりも少し背の高い男があずさを見ていた。
「辻ちゃん!こちらは我らが主将、澤村大地!」
「大地!この子は1年の辻あずささん。ずっと影山と日向のサポートしてくれてた」
と菅原はあずさを澤村に紹介してくれた。
「今日は見学させて下さい」とあずさは頭を下げた。

「そうか、辻さん色々ありがとうな!」
と澤村は人好きする顔で笑った。

バレー部員たちに挨拶を終えたあずさは手持ち無沙汰になって体育館をキョロキョロと見回した。
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