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世界は変わらないと知っていても

第9章 最終決戦


シシアが瞳を閉じる。

誰もがぞわっと寒気を感じる。
まるで神と対峙したかのような、禁忌に手を手を出してしまったかのような恐怖。

デストロイモード。
その動きを見たエターナルは急いで弾幕をはる。
あの状態になったあの機体は厄介だと知っているからだ。
フリーダムは全照準をユニコーンに合わせハイマットフルブースト、つまり一斉射撃を始める。

ひらひらとまるで舞のように優雅に避ける。

「それでもコクピットを狙わないなんてね・・・!」

マグナムバズーカーをうつ。

それは一直線にエターナルへ向かう。

「回避!!!」

あの速さで動きながら正確な射撃をするなんて、誰が想像できるだろうか。
まるで弄ばれているかのようだ。

「援護・・?いや・・・・」

シシアの機体めがけて巨大なエネルギー砲が打たれる。
地球軍、ドミニオンだ。

「地球軍の新型・・・!!」

連携も何もない3機が各々攻撃してくる。

「シシア、そこはクルーゼに任せる。補給も兼ねてジェネシスにもどれ!」

ザラ議長の通信が入る。

「・・・了解・・・。」

ドミニオンに何発か打ちながら、ジェネシスに向かった。

「あいつ・・・・」

動きの読めないシシアに思わずディアッカがつぶやく。


正直あの兵器を守りたいとは思わない。

途中、クルーゼが機体に向かう姿が見えた。

「隊長・・・。」

彼は死ぬ気なのだ。
殺される気なのだ、キラ・ヤマトに。

「あっ・・・・・・。」

迫り来る核を打ち落とさなければ、でも彼が気になる。

「クルーゼ隊長・・・・!」

思わず叫んでいた。
そして彼の胸に飛び込んだ。

「どうして・・・。」

「これが定めさ。君に殺されてもいいのだがね、君は終わらせてくれないだろう。」

幼子を相手にするかのように頰に手を寄せる。

「レイ・・・。私から作られたクローンがいるんだ。あの子を頼む。」

今までの彼からは想像ができないほど穏やかな顔だった。
そんな顔をされては引き止めることはできない。

「あの時、あなたが認めてくれたから・・、私は・・!!」

言葉がいい終わる前に彼はふっと笑ってコックピットに乗り込んだ。
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