第9章 最終決戦
再び戦闘が始まり、シシアはユニコーンで出撃する。
地球軍のモビルスーツがかなりいた。
また核を使うだろうと辺りを警戒する。
「平和を叫びながら、その手に銃を取る。それもまた悪しき選択なのかも知れません。でもどうか今、この果てない争いの連鎖を、断ち切る力を!!」
ラクスの声が地球軍、ザフト全てに流れる。
地球軍がまた核を放つ。
「もう、やらせはしない!!!!」
彼女の金の瞳が光ると同時に、ユニコーンの形態が変わる。
赤い粒子が核に巻き散ると、その操縦権がシシアに移った。
「何!!」
「動けません!!!」
地球軍が混乱する。
そのまま核をつけたまま爆発させる。
「すごい・・・。」
「これが彼女の力・・・・。」
ヤキンから見ていたオペレーターたちが口々に賞賛する。
涙ぐむものまでいた。
一つでも核があたれば砂時計は壊れてしまう。
「今のうちだ!ジェネシスを撃つ!!エザリア部隊を下がらせろ!!」
「
何・・・この熱量!!!!」
シシアは恐怖で怯える。
「思い知るがいい!!ナチュラルども!この一撃が我等コーディネーターの創成の光とならんことを!!発射!!!!」
パトリック・ザラの声が頭に響いた。
悲しくなるほどの憎悪。
苦しい、彼の思い直接伝わってくる。
その油断した隙に様々な思いが頭で響く。
「や、いや・・・!入ってこないで!!」
「シシア!!撤退だ・・!」
デストロイモードが解かれ、宇宙に浮いていたシシアを回収する。
「シシア、シシア!!」
「いやぁ!!入ってこないで!!!」
暴れるシシアを押さえつける。
「俺を見ろ!!」
無理やり顔をイザークの方に向ける。
「イザー・・く?」
やっと焦点があった。
「ああ、そうだ、そうだ・・。」
イザークはゆっくりと抱きしめた。
「怖い・・。怖い、いろんな思いが私に流れてくる・・。苦しい・・・。」
「嫌なら目をつぶって耳を塞いでいればいいんだ・・。」
その言葉にシシアはハッとする。
「だめ・・。見届けるって決めたの・・。だから・・」
次に紡がれるはずの言葉はイザークの口に塞がれた。
「ああ。なら自分をしっかり持て。お前には俺がいる。忘れるな。」
行くなと言いたい。
前線ではなく、絶対に安全な場所に彼女を閉じ込めてしまいたい。
だが彼女の尊厳を踏みにじることはしたくない。
