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世界は変わらないと知っていても

第9章 最終決戦


「シシア一旦撤退だ!!」

クルーゼからの通信でおとなしく撤退する。

「ヴェザリウス発進する!モビルスーツ隊出撃用意!ホイジンガーとヘルダーリンにも打電しろ!!」

クルーゼの通信を聞いて胸が痛む。
誰かが犠牲になる、そんな気がした。

「地球連合軍艦アークエンジェル級に告げる。戦闘を開始する前に、本艦で拘留中の捕虜を返還したい。」

始まった、隊長のかけが。

様々な思いが錯綜する。
痛い・・・。
どうして争いは止まらないのだろうか。
どうして私たちはまだ苦しんでいるのだろうか。

こんなにも技術が発達した世界でも人は争いをやめられない。

体に負荷がかかり、治りかけていた傷口が開いた。
デストロイモードは終了し、ただの白い機体となって宇宙空間に漂う。

「鍵を持っているわ!!私!!戦争を終わらすための!!」

捕虜となっていた彼女の身を感じながら瞳を閉じた。


「こちらも撤退する。残存びたいは座標デルタ0に集結しろ。」

ヴェザリウスがおち撤退命令が出た。
急に動きを止めたシシアの機体を回収し座標へと向かう。
イザークはヴェザリウスが無意味な犠牲のように感じ、クルーゼに対する不信感を募らせた。



「離しなさい!この子をどうする気!!」

これは、私が生まれた頃の記録。

「私だけで飽きたらず、この子も利用しようとするの!!?」

母は施設にいた、ものに干渉できる力を持っていたらしい。
代々小さな島で暮らしていた民族であったため知られることがなかった。

「レノアもどこに連れて行ったのよ・・・!」

レノア・・・?

「妹を返して!!!」

妹・・・?



「この子は俺たちが引き取る・・。ラクスの双子の妹として育てる。」

「ええ、お姉さまがまさか・・。」

レノアが泣き崩れる。

「私だけが幸せに生きていたのね・・」

そうかレノアは利用されずに済んだのか。
それで母も救われるだろう。
そして理解した。
なぜ農業用のプラントが攻撃されたのか。
レノアを消そうとしたのだ。

目を覚ますとイザークが側にいた。

「シシア・・。」

愛おしそうに名前を呼び頭を撫でられる。
心地よくて目を細める。

「クルーゼ隊は解体され、新たしく俺の隊ができるようだ。そしてクルーゼ隊長とお前は特務隊に移動だ。」

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