第8章 デペンデンス
「父上・・。シシア!!」
「シシアを残してお前たちは下がれ。」
拘束してきた武装兵を全て下がらせる。
やはり親子だからか、警戒しないのだとちらりとパトリックをみる。
「どういうことだ!!何があった!ジャスティスは!フリーダムはどうした!!」
アスランは苦しいそうな表情で言葉を紡ぎ始める。
「父上は、この戦争のこと、本当はどうお考えなのですか?」
「なんだと!!?」
「いったいいつまで俺たちは、戦い続けなければいけないのですか!!!?」
「何を言っておる!!!」
「議長、これが現実ですよ。」
思わずシシアが口を挟む。
「皆戦いで疲れています。被害も大きくなって、大切な人がなくなって、皆傷ついています。」
「シシア・・」
「なんだと!!そんなことはどうでも良い!!そんなことより命じられた任務はどうした!報告しろ!」
「俺は、どうしてもちゃんと一度父上にそれをお聞きしたくて、戻りました・・・。」
パトリックは頭に血が上っている。
「いい加減にしろ!何もわからぬ子供が!!知った風な口を聞くな!!」
「・・・・・そうやって、私たちを駒にしているのですか?」
「何??」
「子供は何も知らなくていいと?だけど駒になって戦えと??」
「・・・・・今や戦火は広がるばかり、打たれたら打ち返し!打ち返してはまた打たれ!いつ終わるのですか??」
「終わるさ!ナチュラルが全て滅びれば!!戦争は終わる!!」
アスランはシシアの前に立った。
「父上・・本気でおっしゃているのですか?ナチュラルを全て滅ぼすと・・・・・。」
「これはそのための戦争だ!ジャスティスとフリーダムはいったいどうしたんだ!!・・・言わぬというのなら、お前も反逆者として捉えるぞ!!」
アスランは何も言わずうなだれていた。
「アスラン!」
パトリックに名前をには呼ばれ、叫びながら突っ込む。
驚いたパトリックはとっさに銃を構えた。
「アスラン!!!!」
議長に飛びつき、弾道をずらした。
「この愚か者が・・・。」
幸い、かすり傷で済んだものの、親子の関係はもう壊れてしまった。
「連れていけ・・・。シシア、お前はまだ話がある。」