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世界は変わらないと知っていても

第8章 デペンデンス


「原因不明の発作が起きてます!誰か呼吸器を繋いで!」
「脈は!?」

作戦が終わると館内がバタバタしていた。

「シシアに何かあったのか!?」

医療班を引き止める。

「大丈夫ですよ、何度か繰り返しているので・・・。」

何度か繰り返しているから大丈夫だと?
シシアのいるところへ向かうと、苦しそうに呼吸をする彼女がいた。

「シシア!!?何をしている!」

「これ以上することなんですよ。何度もやってますし、」

疲れたように医師が話す。
ぎゅっと彼女の手を握る。
口が何かを紡いでいるがなんと言っているかわからない。
 
「後少ししたら治ると思うから、部屋に連れてってくれ。」

ナチュラルと知ってから対応が冷たい気がする。
怒鳴ろうとしてハッとする。
自分もシシアに同じことをしたではないか。

「シシア・・・。」

ぎゅっとその手を握ると彼女の瞳から涙が溢れた。

「本国にもう直ぐで戻れる・・・。それまで休め。」

そう語りかけるとうっすらと目を開いた。

「い、イザーク・・・。嫌・・・。行かないで・・・。」

なんて酷いことをしてしまったのだろうと、改めて思った。
シシアであることが大切なのに。
こんなにも単純なのだったのに。

「ずっといるから・・・。安心しろ。」

シシアは弱々しく微笑むとまた眠りに落ちた。



「君の父上が亡くなったそうだな。」

「隊長!!!」

「ラクス・クラインには議長もだいぶ手を焼いておいでのようだ。よもやしれで我らに帰国命令が出たわけでもなかろうが・・。」

シシアの前で無神経に話すクルーゼにハラハラする。

「く、クライン・・。」

ポツリと捕虜のフレイがつぶやく。

「彼女の父親だよ。」

父親と聞いて驚愕する。
こんなにも簡単に命の話をするのだ。

「しかし、私には信じられません!彼女が反逆者などと・・。」

「ふむ・・。そうものがいるからこそ利用されるのだがね。シシア、君はどう思う?」

「何が敵で、何が仲間なのか、私たちはなぜ戦っているのか。クルーゼ隊長はわかっていらっしゃるみたいで。」

珍しく、シシアはクルーゼに反抗的な態度をとる。

「そうだな。様々な人間の思惑が絡み合うのが戦争だ。何と戦わねばならぬのか、見誤るなよ。
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