• テキストサイズ

世界は変わらないと知っていても

第8章 デペンデンス


アラスカはサイクロプスを起動させ、地球軍、ザフト諸々巻き込んで爆発した。

「アラスカでの失態の尻拭いのために、パナマへ向かう。」

クルーゼの後ろにはおどおどした少女がいた。
アークエンジェルで一度見たことがある。

「ん、ああ。彼女は捕虜だ。」

「捕虜ですか・・・?」

ふっと微笑むとシシアの髪を撫でる。

「大丈夫だ・・。そう不安がるな。」

イザークは様々な状況を苦虫を潰したような表情で見ていた。

「君の父親と姉がスパイの容疑にかけられている。」

「クライン議長が!?」

シシアではなくイザークが驚いた。

「もう議長ではない。シシアは驚かないのだな。」

「ええ・・・・。今ザフトが進んでいる道は破滅の道ですもの。」

「ほう・・。」

「少し、思い出しました・・・・。幼い頃施設に連れていかれたことを・・・・・。」

シシアは無表情であったが、手が震えていたのをイザークは見逃さなかった。


彼女がナチュラルだと知った時、激しい嫌悪が襲った。
それと同時に、ナチュラルとコーディネーターに大きな違いはないということを知ってしまった。
しかし、それを認めてしまえばなんのために戦っていたのかわからなくなってしまいそうで怖かった。
だが、ボロボロになっていくシシアを見て、心が痛んだ。
彼女の笑顔も、涙も全て自分のものだと思っていたのに。
全てを捨ててしまった。

「くそっ!!!」

彼女を愛おしいと思う気持ちと、ナチュラルを見下し憎む気持地がある。
もやもやを抱えたまま次の作戦のために更衣室へと向かった。

「次の作戦、シシアは休ませる。一人で頼むぞ。」

「はっ!!」

しシアが作戦に参加しないと聞いてホッとする。
その怪我も、気まずさも心配だったからだ。

「シシア・・・。」

こんなにも愛おしいと思っているのに、どうして俺は許すことができないのだろう。
/ 77ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp