第7章 噛み合わない歯車
歩くたび、どこかが痛む。
しかし、この痛みがなければ、私は不安で押しつぶされてしまう。
初めからクライン家の一員ではなかったのだ。
閉じきっていない傷が開く。
血がにじむ。
この血に両親の血は流れていないのだ。
一体誰の血が。
急に汚らわしく感じてしまう。
「ユニコーン・・・・。」
我が唯一の望み
「私の望みは・・・居場所が欲しかっただけなのに・・」
「私は君を歓迎するがね。」
外に出たシシアの髪が風になびく。
「隊長・・・・・。」
彼は初めて会った時も私の場所を認めてくれた。
「君が望むなら、私が居場所を作ろう。」
「私が・・・、クラインでなくても・・・?」
「もちろんだ。」
「私が・・ナチュラル・・でも??」
「ああ」
目の前が涙で歪む。
体重を支えきれなくて、座り込んでしまう。
クルーゼは何も言わず、そっと抱き寄せた。
「大丈夫だ。何も心配はいらない・・。」
その言葉がどれほど心強かったか。
彼に裏切られたら、もう私は生きていけない。
もう、苦しい思いはしたくない。
ゆっくりと彼に体を預ける。
大きな手が心地いい。
「大丈夫だ・・・私も・・・だから。」
地球の風は強くてうまく聞き取れなかった。