第7章 噛み合わない歯車
先ほどのシシアが気になり頭か離れない。
すれ違いが大きくなっている気がする。
しかし原因を今考えている暇はない。
オーブに潜入するのだから。
たまらなく寂しい。
ずっと一人だったのに。
どうしてこんなにも弱くなってしまったのか。
わかっている、イザークを愛したからだ。
この愛が失われるのが怖い。
「シシア?」
甲板に出てきていたアスランと出会う。
「体調はいいのか?」
「ええ、わたしも出るわ。いるんでしょう?彼が。」
アスランは苦しそうに俯く。
そんな彼に手を伸ばし、風になびく髪を抑える。
「大丈夫・・・。あなたができないなら、わたしがやるわ・・・。」
「シシア!!!!」
カンカン、と甲板を歩きアスランの元からさって行った。
「足つきが!!?」
アスランの感はあたり、オーブからアークエンジェルが出てきた。
「出撃する!今日こそ足つきを落とすぞ!!!」
シシアもパイロットスーツに着替える。
「行こうね・・・。ユニコーン・・。」
真っ白で清廉な機体。
まだこの機体は未知数だ。
「シシア・クライン!ユニコーンでる!!」
グウルがないため、ユニコーンは艦の上から援護する。
すでに、アスランやイザークたちは出ているようだ。
「煙幕!?」
状況を掴むため、通信をつなぐ。
「ちっ!!姑息な真似を!!!」
イザークとディアッカが手こずっているらしい。
どうにか冷静にさせねば。
勝てる戦いも負ける。
それほど力は拮抗している。
「新型!!?」
見慣れない戦闘機が飛んでいる。
見る限り戦闘に慣れていないようだ。
「ニコル!!!」
ストライクに気を取られていたニコルが墜落する。
小さな島が多い、多分無事だろう。
「アスラン!!!」
気づいたらイザークもディアッカも落とされていた。
「おい!!」
母艦からの指示を無視して、アスランとニコルが落ちた島にジャンプする。
「その機体は万全じゃない!!!」
そんなことはわかっている。
だが、嫌な予感がした。
「アスラン!!」
イージスはフェイズシフト装甲が切れていた。
さっと血の気が引く。
ここでアスランが死んだら、ラクスにどう伝えればいいのだろうか。