第7章 噛み合わない歯車
「何やってるディアッカ!さっさと船の足を止めろ!!」
「わかっている!」
結成されたばかりのザラ隊は、アークエンジェルとの戦闘に入っていた。
「よくやった!シシア!!」
シシアの機体がアークエンジェルに命中する。
アスランは隊長として戦場全体を見渡し、指示をする。
「イザーク!出過ぎだ!ニコル、左空回りこめ!」
シシアの機体は未完成のため、船の上から援護射撃だけする。
「腕が上がったわね・・・。」
動かすだけで精一杯で、必死に戦っていた彼。
戦場を見渡す余裕ができたようだ。
「厄介ね・・・。」
再びアークエンジェルに照準を合わせる。
狙うのはミサイル発射ミサイル発射管。
「よし・・・!」
アークエンジェルが傾く。
どうやらエンジンを落としたようだ。
「接近中の地球軍艦、及びザフト軍に通告する。貴官等はお二つ部連合首長国の両駅に接近中である!」
「了解に入れるな!!一気に叩け!!」
アスランが焦りを見せた。
「アスラン!!」
いきなり隊長になり、友人と戦うことになり余裕がないアスランは手一杯だった。
「落ち着いて!アスラン!!」
他のメンバーも焦りからか、雑な攻撃が多くなった。
「この状況を見てよくそんなことが言えるな!わたしは・・、わたしはウズミ・ナラ・アスハの子、カガリ・ユラ・アスハだ!」
どんどんオーブの了解に突っ込むアークエンジェル。
「アスラン!これ以上は!!」
また、関係のない国を巻き込んでしまう。
それに先ほど聞こえたアスハという名も気になる。
「警告に従わない貴官等に対し、我が国は自衛権を行使するものとする!!!!」
オーブと戦争する気は無い。
領海に侵入していくアークエンジェルを苦い思い出見送った。