第5章 崩れる均衡
アスランはぐっと手に力を入れる。
険しい顔をして俯いた。
「実は、イザークがストライクによって怪我をしたそうだ・・・。」
「・・・・。容体は?」
「命に別状はない。」
「そう。」
「そうって!」
「ならどうしたらいいの?あなたが友達で手こずってるからって攻めればいいの?ストライクのパイロットを恨めばいいの?今は戦争をしているのよ?何があっても・・おかしくない・・。」
『コンディションレッド発令!コンディションレッド発令!!パイロットは至急・・・・』
艦内にオペレータの声が響く。
「行って・・・。行かないなら私があなたの機体に乗る・・。」
「シシア!!」
起き上がろうとするシシアを制する。
「わかった・・・。俺は戦う、だから・・・。」
シシアは自嘲気味に笑う。
「あなたは昔から優しすぎるのよ。」
アスランは戸惑いの表情を浮かべ、困ったように笑った。