第5章 崩れる均衡
「手当は・・・。」
「もちろん致します。安心して。」
茶髪の女性が優しい笑みを浮かべる。
「艦長!!」
キリッとした黒髪の女性は不服そうだ。
「事情ももう少し聞かないといけないし、このままだと死んでしまうわ。」
「・・・・。わかりました。」
渋々頷く。
シシアも今抵抗するのは無駄だとおとなしく従った。
シシアは簡単な治療をして牢に入れられた。
ベットに寝転がるとどっと疲れがきた。
撃たれた肩が熱を持つ。
その熱が全身に広がるような気がする。
あぁ、熱出したのはいつぶりだったかしら・・。
そう思いながら眠りに落ちた。
「あら、誰がすごくお強いんですの?」
誰もが口を開けたまま固まった。
「驚かせてしまったのならすみません。私喉が渇いて・・・。後笑わないでくださいね?だいぶお腹も空いてしまいましたの。こちらは食堂ですか?何かいただけると嬉しいのですけれど・・・。」
「って、ちょっと、待って!!!」
「鍵とかしてないわけ?」
「やだ!!なんでザフトの子が勝手に歩き回ってんの!!!??」
フレイがまるで化け物を見たかのように後ずさる。
「あら、勝手にではありませんわ。私ちゃんとお部屋で聞きましたのよ。出かけてもいいですかーって。それも三度も。」
誰もが呆れ絶句している。
「コーディネイターなんだからなんだって一緒よ!!」
「同じではありませんわ、申し遅れました。私ラクス・クラ・・」
「やだ!!!」
まるで汚いものを見る可能ように下げずむフレイ。
「冗談じゃないわ!何であなたなんかと握手しなきゃ何ないのよ!!」
体を大きく揺さぶり拒絶を示す。
「コーディネイターのくせに馴れ馴れしくしないで!!!!」