第4章 ヘリオポリスの悲劇
その後、キラやクルーゼ隊の戦闘によりヘリオポリスは大破。
脱出したアークエンジェルを追うとおう判断をクルーゼ隊長が下した。
「イザーク・・。」
「大丈夫だ。心配するな。ナチュラルなんぞにやられはしない。」
「ええ、」
「どうしたんだ最近?」
確かに、最近シシアは何かに敏感になっていた。
「わからないの、でも、恐ろしくて・・・。」
不安そうなシシアのほおを寄せて軽くキスを落とす。
「大丈夫だ。俺が守ってやる。」
そう言い残し、シシアを置いてモビルスーツデッキに向かっていった。
シシアの機体は未完成すぎて動かすのがやっとだった。
だから、ここから見守ることしかできない。
シシアは戦争が広がっていくのを感じていた。
「でも、それに私も加担している・・・。」
小さな声は無重力空間に溶けていく。
アスランとクルーゼは評議会に出頭するためプラントに戻ることになった。
「シシア、君も一緒に戻ってもらう。」
「なぜ私が・・?」
「君の機体は未完成だ。それに護衛の任務が入った。」
「護衛・・。」
確かにこのまま残っていてもただ戦闘を見守るだけだ。
みんな外にちがけで戦っているというのに何もしないのももどかしい。
「はっ!!」
ピシッと美しい敬礼をきめる。