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世界は変わらないと知っていても

第4章 ヘリオポリスの悲劇


「待て!シシア!!」

「何?」

「何?じゃないだろう?こんな危険な任務。一人で行くのか??」

「そう命令されたわ。」

ヘリオポリスに地球軍が出入りしているという噂があり、その噂の出所を調べるためにシシアが潜入捜査をすることになった。

「隊長からの指名よ。行きたくないって言えると思っているの?私たちは戦争そしているのよ。」

「だけど!!」

アスランはこの危険な任務にどうしても行かせたくないらしい。
恋人であるイザークは知っているのだろうか・・・。

「どうしたアスラン?」

クルーゼが優雅に歩いてきた。

「隊長・・・。シシアの腕は正直微妙です。今回の潜入捜査失敗する可能性も・・・。」

アスランに馬鹿にされたようでイラつく。

「私はシシアの実力を信じているがね」

隊長、と瞳を輝かせシシアが見つめる。

「しかし!!」

「私はこれでも人を見る目があるのでね、無理と思うことは命令しないさ。大事な部下をみすみす死なせるわけには行かないからな。」

その言葉に嬉しそうに顔をほころばせる。

「もうすぐ行く時間だろう。大丈夫だ、うまくやれる。」

「はい・・!」

シシアは敬礼をするとモビルスーツデッキへと走っていった。

「不満かね、アスラン?」

「いえ・・・・・。失礼します。」

クルーゼに不信感を抱きアスランは立ち去る。
その様子を面白そうにクルーゼは眺めていた。

青いワンピースに身を包み、年相応の少女に扮する。
偽のカレッジの身分証で構内に入る。
カレッジ内だというのに、セキュリティーの厳しさだけが異常に高い場所を見つける。

「よし・・・。」

国家の機密情報を守っているのではないかと思うほど強固であったがすぐにシシアはそのセキュリティを解除した。

小型探査機を飛ばす。
何も自分が見に行かなくてもいい。

探査機でいくつか写真を撮りすぐデータを送り手元で現像する。
途中で映像が乱れる。

「ここまでね・・。」

奥に電波を妨害する装置があるみたいだ。
印刷された写真を見る。

「これは・・。モビルスーツ??」

「おーい!今からご飯行くけどキラもいく??」

遠くから学生の声が聞こえる。

「行く行く!!」

キラと呼ばれた人物が返事した時、ズキンと頭に何かが響いた。

「あっ・・。」

二人の目があった。
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