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世界は変わらないと知っていても

第3章 ザフトへ


今日はザフトの訓練兵の卒業式。
上位10名は赤福として表彰される。
シシアは赤服に入ることができなかった。
今までの最下位という順位が足を引っ張ったみたいだ。
そして彼女自身も多少力を見せたものの、今更だと本気で取り組むこともなかった。
だが、エリート部隊のクルーゼ隊に配属されることになっている。
そして、イザークやアスラン、ディアッカ、ニコル、ラスティー問いった赤服が同期として配属された。

「シシア!!!」

久しぶりに聞く声。

「アスラン・・・。」

「本当に戦場に出るのか?」

「あなただって戦うのではなくて?」

「そうだが・・・・。」

私が最下位に近い順位だからか。
すぐ戦死してしまうのではないかと心配しているのだ。

「君が戦う理由って・・何なんだ・・・?」

突然の質問にたじろぐ。

「あなたには関係ない!」

強い口調で話を終わらせる。
そのまま艦内の自室に走った。

「何?喧嘩??妹にも手を出してんの?」

「ディアッカ!!違う・・・。ラクスに心配されたんだ・・。」

「へー、過保護だね?」

「あの成績じゃあ、誰だって心配になる。それに俺たちは最前線に行くことが多い部隊だし。」

「いいんじゃねえの。承知の上で来てんでしょ。」

「でも・・。ラクスに反発して行動しているようにしか見えない。」

「ふーん。」

興味のなさそうにディアッカが返事をする。
アスランはシシアが走っていった方向を見つめていた。


「ここにいたのか。」

あれ以来イザークはシシアの元に来るようになっていた。

「イザーク・・。」

彼の側は心地よくてつい一緒にいてしまう。
隣に座る彼の肩にもたれかかる。
その様子を満足げに眺め抱き寄せる。

二人は密かに付き合い出したのだ。

「シシア・・・。」

甘く彼女の名前を呼ぶ。
いい雰囲気になることは何度もあった。
しかし、二人の関係はなかなか進まなかった。

シシアがやんわりと拒んでいるのだ。

イザークがシシアを膝に乗せ、優しくキスをする。
そして首にも軽くキスをする。

「ふふふ、くすぐったいわ。」

体をよじらせ、イザークの唇が肌から離れる。
その姿も可愛らしいからいいかと見逃すが、正直辛いときもある。
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