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世界は変わらないと知っていても

第3章 ザフトへ


その後、エルとココアは思った以上に何もできず、脱落。
結局、シシアとイザークだけがゴール地点へとたどり着いた。

順位は6位だった。
訓練ではあんなにもからっきしなのに、このサバイバル戦ではいい動きをしていたように感じる。

「よ!お疲れ様!!」

同じチームであったディアッカが手をひらひらさせながらイザークとシシアの元にやってくる。

「まったく、バカなやつめ。」

「あれは仕方ないだろう?」

イザークもホッとしたのだろう。
軽口を叩き合う。

「これでお別れだな。」

そう、これでチームは解散。
これからは順位でチームを編成する。

「ええ。」

お互いに握手を交わしそれぞれ向かうべき場所へと向かって行った。

シシアは6位と言う成績を残したチームであり、最後まで生き残ったが、実力と評価が見合わないのではと煙たがれるようになった。
そして、男を盾にしたから生き残れたと言われるようになった。
もちろん女からの評価は地に落ち、男は何かを期待して近づいてくるようになった。
そんなザフトの訓練の期間が終わろうとしていた時期に彼はやってきた。

「今日は、様々な軍の隊長が見学にくる!もし能力を認められればその隊に行くこともできる。いいアピールのチャンスだ!!励めよ!!」

特に行きたい隊もいなかったため、普段通り訓練を進めていた。

「ほう、もう一人のお姫様は戦場を刈る戦乙女になるみたいだな?」

聞き覚えのある声。
一度だけあったことのある男、ラウ・ル・クルーゼ。
振り返ると、赤服ではなく白服に身を包み仮面をかぶった男が立っていた。

「足をひねっているのでは?」

先ほど、数名に襲いかかられ、変に着地してしまいひねった。
まさか見られているとは。

「平気です。」

恥ずかしくて、訓練に戻ろうとする。

「ゴルドア教官!彼女が足をひねってしまっているようだ!医務室に連れて行く!」

そう言うとひょいと持ち上げられ、皆が見ている前で医務室に連れていかれた。

「お、おろしてください!!」

驚いてバタバタと暴れてみる。
多少筋肉がついたとはいえ、女ではまったく叶わない。
二倍も太い腕を見てゾクリとする。
どう頑張っても逃げきれない。

「そう不安がらなくてもいい。」

彼は穏やかな口調でシシアに語りかけた。
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