第3章 ザフトへ
「どこに行くんだ?」
「トイレだよ、」
エルがのんきに答え、森の中に消えて行く。
「シシア・・。」
まともに話せるのは彼女しかいなかった。
「このルートはどう思う?」
「多分、他のチームとかぶると思う。」
「そうだよな・・・。」
「まちぶせる?」
「どうやって?」
「荷物を全部捨てるの。それでここまで早くたどり着ける。そしたら、奇襲で他のチームからものを奪うの。」
「そんな方法!」
「戦争を仮定しているのでしょう。なら使えるものは使わないと。」
彼女の表情が冷たくぞくりとする。
まるで戦場を経験したような冷静さがなぜだか彼女から感じる。
計画は皆に受け入れられ、休むために交代交代で寝る。
5人しかいないため、一人で見張りをしなければならない時間がある。
一人をイザークが担当し、寝静まったメンバーを見ながら計画を綿密に立てる。
「どうした、寝ておけ。」
シシアが目を覚ましたのか上半身を起こした。
「シシア?」
彼女は終点の合わない瞳でどこかを見つめ、立ち上がる。
「おい?」
シシアがフラフラとイザークの元に歩いてくる。
「くる・・・・・。」
何っと言おうとした時、ガサガサっと草むらから音がする。
「起きろ!!敵襲だ!!」
その声に反応した敵は焦って発砲してしまった。
シシアが無造作に音の方に銃を向けうつ。
なんとそのたまは敵の頭に当たる。
「よくやった!!」
どうやら教官ではなくどこかのチームのようだ。
一人倒したから最低でも後5人。
「グハァ!!」
「ビンゴ!」
どうやら一人やったらしい。
「気をぬくな!!」
イザークの声が響く。
「きゃあ!!!」
ココアがまたも乱射する。
「おい!!」
それはディアッカの胸にあったてしまう。
「くそっ!」
フレンドリーファイア。
まさかこんな形で退場すると思っていなかったディアッカは悪態をつく。
なんとかココアを落ち着かせなければ。
ふとシシアをみるとココアに銃を向けていた。
「シシア!!!」
彼女の弾は銃にあたり、その衝撃で銃を手放した。
ほっとし、敵に意識を戻す。
狙いを定めている男が見えた。
遅い!
イザークは眉間に発砲する。
「うわっ!」
ひけ!!と敵のリーダーであろう声が聞こえ慌ただしく去って行った。