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世界は変わらないと知っていても

第3章 ザフトへ


「今日、みんなで食事に行くんじゃなかったのか?」

「断ったの・・・。」

「そうか・・。」

まっすぐ帰るのもどうかと思い、食事に誘う。
しかし食事よりも海が見たいと言われた。

プラントの偽物の海を眺める。
ちゃんと砂浜と、寄せては返す波がある。

二人で海を眺める。
不思議と波の音が心地よい。

ベンチに座っていたシシアがもたれかかる。

イザークは彼女の腰に手を回し、そのまま彼女の手を握る。

「イザーク・・・・。」

「我慢しなくてもいい。」

「怖いの・・・・・。感情を大きく動かすことが・・・。苦しいから。」

「そうやって耐えてきたのか。」

何故かイザークに本音をしゃべってしまう。
誰にも話したことがないのに。

「私の周りにいた人はみんな優しいから。私の心配をしてしまう。」

「俺はいいのか?」

遠回しに優しくないと言われた気分だ。

「ええ」

彼女の穏やかな笑みを初めて見た気がする。
その金色の瞳に吸い込まれるようにイザークが顔を寄せる。

彼女が離れないことからそのままイザークは口づけをする。

「イザーク・・・。」

彼女の口から甘い吐息が漏れた。

ゆっくりとベンチに彼女を倒し、深く深く口づけをした。



あのあと、二人で乗ったエレカはよくわからない空気が流れていた。
流れでやってしまったことの恥ずかしさ。
二人の関係とは?
どうなって行くのだろう。

「気をつけろよ・・・。」

「ええ、ありがとう・・。」

エレカを返すため先に女子寮にシシアを下ろす。

シシアは小走りで部屋に戻る。
キスしてしまった・・。

初めての経験。
付き合っているわけでもない。
友達以上恋人未満という関係だったわけでもない。

なんて破廉恥なことをしてしまったのだろうと一人部屋で悶える。

同室のココアは今日外泊許可を申請していたのできっと戻ってこないだろう。

鏡に映る自分がまるで普通の少女のような表情をしているのを見てゾッとした。
自分もこんな顔ができるのだと。

「今日だけだわ・・・・・。もう二度とはない・・・。」

鏡に映る自分に言い聞かせる。
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