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世界は変わらないと知っていても

第3章 ザフトへ


「まずは体術だ。主にナイフ戦をここでは訓練する。」

体格の良い教官が初めはどんな動きを練習するか見本を見せる。

「いいか、この動きができたら次の実戦に入れる!それができないものはずっと基礎をやることになる!二人一組だ!助け合うことも学べ!!」

イザークは心の中で舌打ちをする。

「よろしくお願いします。」

男に追われて震えてたやつが戦えるのかと言いたくなる。

「ああ。」

短く返事をし、教官の動きをおさらいする。

思ったよりも早く二人は合格した。
ダンスをやっているからか、動きに無駄がなく、美しかった。
だがそれを教官に指摘されていた。
しかし、こっからが問題だった。
実戦になると怯み全く動くことができなかった。
何度フォローに入ったことか。
チームとはいえ、二人か3人ペアで動くことが多い。
出来損ないのシシアに必要以上にベタベタして来るココア。
毎日ストレスで禿げてしまいそうだ。
そして一週間経った日、やっと休みになった。
ディアッカの提案で親睦を深めようとご飯を食べに行こうとイザークを除いたメンバーが出かけた。
こんな日まで一緒に居られるかと、チームの自習室へ行く。

「ねぇちょっとどうしてくれるのよ!!」

声がした方を見ると金髪の長髪の女を筆頭にだれかを取り囲んでいるようだ。

「どうしてとは?」

声でわかったシシアだ。

「私の彼氏に色目使ったでしょ!!」

「彼氏?」

「エドモンドよ!!!」

呆れた。
醜い奴らだ。
無視してイザークは自習室に入る。

「とぼけてんじゃないわよ!!あら?何その目!ナイフ戦最下位のくせに!!」

女が手をあげる。
シシアはそれを片手で受け止め、小さな動きをするだけで彼女が膝からがくんと落ちた。

「この!!!」

数人の女に手足を封じられる。

膝をつかされた女が懐からナイフを出す。

「調子乗るな!!」

シシアの綺麗に束ねられた髪の毛を掴み、無造作にナイフを入れる。
避けようとしたシシアだったが避けきれず、ざっくりと髪が切られる。
そして、つけていたレノアからもらった髪飾りが落ちる。

「いいご身分ね?こんなもの!!」

女が足でそれを踏みつける。

「やめて!!!!」

初めてシシアの大きな声を聞いた。
何をしても小さな反応しかしない彼女がだ。

つい驚いて自習室から出てしまった。
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