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世界は変わらないと知っていても

第3章 ザフトへ


「シシア!!!ザフトへ志願したなんて!なんで?」

偶然入学式であったアスランに呼び止められる。

「いけないの?」

「でも・・。君のお父さんとか、ラクスとか心配するんじゃ・・。」

「関係ない。私は私のしたいことをするのよ。」

アスランがたじろぐ。
あの柔らかく感じた雰囲気はどこにもなかった。
出会った頃に戻ってしまったようだ。

「シシア・・。」

まだ呼び止めようとするアスランを無視して、式の会場へと向かう。

「今年は志願兵が多いみたいですね。」

緑色の髪の優しそうな少年に声をかけられる。

「あっち空いてましたよ。」

言われるがままついて行く。
食堂に来て食事を受け取ったものの席がなく困っていたところだった。

「ありがとう。」

「いえ。僕、ニコル、ニコル・アマルフィーです。」

「アマルフィー・・・?」

もしかして政治的な意味で近づいて来たのだろうか。

「あ、誤解しないでください。同じパイロットコースだったから、気になって・・。いやでしたら離れます。」

「いいえ、こちらこそ失礼な態度をとりました。シシア・クラインです。」

ニコルは嬉しそうに握手をした。
これから訓練を受けて死地に向かうというのに、仲良くしてくださいという彼が不思議だった。

入学した次の日からすぐに訓練が始まった。

「いいか!6人1組でチーム分けをしている!これから2ヶ月は共に行動すると思え!皆に支給されたている小型端末でなにチームか書いてある!そこにスケジュールも入れてあるから確認しておけ!」

教官が解散!と言った瞬間皆一斉に動き出す。
それに合わせてシシアも行動する。

ココア・アイーナ
シシア・クライン
ディアッカ・エルスマン
イザーク・ジュール
エドモンド・ヴィアル
エル・ホワイト

名簿を見てため息をつく。
あの日あった男。
そして、エルスマンも政治家の名だ。
どうしてこうも集まってしまったのだろう。
遅れるわけにもいかないからと重い足で歩く。

「お、きたきた。よろしく、俺はディアッカ・エルスマン。」

気さくに声をかけてきたのは金髪のオールバック。
人懐っこそうで、年上に人気がありそうな人物だ。
つまり軽薄そう。

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