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天命と共に 【文豪ストレイドッグス】 第三者目線

第13章 本編 第27章 ~幕間 其の伍~


「あ、ありがとう……ございました」

「うむ」

先刻と変わらず、何度も投げ飛ばされた徳冨は再び浅く速い呼吸を行いながら師匠となった福沢に作法を行っていた

その言葉に小さく頷いた福沢は息を荒げている徳冨へと手を差し出した

「……武術の心得が無いと言っていたが、中々筋が善かったぞ」

福沢は目元を細めると共に言葉を紡いだ

「流石は運動神経に自信があると自負しているだけのことはある」

「ははっ、そうか? ありがとうな……」

その言葉に疲れを見せていても、福沢に褒められて嬉しいのか、徳富は笑みを浮かべる

「……体術には向いていないかもしれないと言われていたから武術に自信は無かったんだが――」

そう福沢に告げながら差し出された手を握って立ち上がろうとした徳冨であったが、力を込める際に足が縺れて前のめりに倒れ込む――かに思えたが、その前に彼が徳富を支えた事により再び道場に音が響き渡る事は無かった

「大事無いか」

倒れ込んだ事により徳冨は福沢との距離が近くなった――そして、更に心配そうに顔を覗き込まれた為に彼は少し顔を俯かせながら言葉を発した

「あ、嗚呼……大丈夫だ、すまねぇ……」

そして、顔を俯かせたまま、徳冨は足元へと視線を下ろした

「はは……でも、どうやら、もう……足が動かねぇようだ」

思わず苦笑を浮かべた徳冨に眉を潜めた福沢であったが、暫しの後に息を吐くと徐に彼を抱える
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