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天命と共に 【文豪ストレイドッグス】 第三者目線

第14章 本編 第29章 沈黙の塔、鴉の宴


組合の横浜焼却作戦は組合に囚われていた中島と彼を信じ、とある準備をして待ち続けていた太宰の連携により免れた

そして、とある提案を持ちかける為に突如、現れた中島と武装探偵社の長である福沢の話し合いが終了し、彼が社長室を去った後――この場に居たのは福沢と先刻公園で会ってから1度も起きない徳冨であった

ソファから立ち上がった福沢は畳の上に広げた仮眠用の布団で規則正しい寝息を立てて眠っている徳冨へと徐に近付く

そして、腰を屈めると共に徳冨へと声を掛ける

「徳冨、そろそろ起きよ……直に日が沈む、その前に社宅へ帰らねばならぬぞ」

「ん~……」

しかし、徳冨は身じろいをしただけで矢張り起きる気配はなく、返ってきたのは生返事のみで、再び直ぐに眠ってしまったのか、規則正しい寝息が聞こえてきた

福沢は小さく息を溢したが、同時に徳冨が言っていたとある言葉が自然と頭を過った

『――俺は熟睡等したことがないからな
 ――本当に安心して寝れたのは数える程だな』

その言葉を脳裏で思い出していた福沢は閉じていた瞼を徐に開けると共に目を細めて小さく笑みを溢した

「私の前では眠れる様になった――と言う事で善いのか、徳富……」

そう問い掛けた福沢は表情をそのままに異能力が解かれた徳冨へと視線を向ける

そして、あの日と同様に徐に蒲団を掛け直した福沢は彼から背を向けたのだった――
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