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天命と共に 【文豪ストレイドッグス】 第三者目線

第5章 本編 第12章 たえまなく過去へ押し戻されながら


「嗚呼、えぇ……実は僕達武装探偵社の社員で……社長……あ、社長は福沢諭吉さんで……」

「……嗚呼、知っているよ、武装探偵社は、横浜では有名な組織だからね、横浜の地に住んでいれば、誰もが知っていると思うよ」

中島の説明に男性は頷き、言葉を紡いだ

「……そうか、君達は武装探偵社の社員だったのか……この子も其処の社員ならば、社長が心配するのは無理のない話だったね……野暮な事を言ってすまない」

「………いえ、そんな……此方こそ、ありがとうございます……貴方も、徳冨さんを想って言って下さったのでしょう?」

微笑みを浮かべながら言葉を続けた男性の言葉に中島も胸に手を当てて満面の笑みで微笑み、言葉を紡いだ

「……徳冨さんは、社員ではありませんが……僕達にとっては大切な仲間ですから」

「……この子は、探偵社員ではないのかい?」

彼は眼を丸くして尋ねると眼を泳がせた中島は苦笑を浮かべながら言葉を続けた

「あ、えーっと……はい……何と言うか……徳冨さんは、一寸複雑なんです……」

中島の言葉を受けた男性は徐に顎に手を当てて熟考するように呟いた

「……そうか、社員ではないにも関わらず……その社長が、この子を君達に任せる、と……」

男性は言葉を噛み締めるように呟いた、その言葉に中島は大きく頷いた

「はい、なので僕達は徳冨さんを必ず連れて帰らなければならないんです」

「……そうかい、なら、早く連れて帰った方が善い……武装探偵社の社長も心配していることだろう」

お大事にね、と男性は徳冨に視線を向けて微笑みかけると中島は再び大きく頷いた

「はい、ありがとうございます……徳冨さんの事もそうですが、先刻の助言も……」

「少年、」

照れたように頭を掻きながら言葉を発する中島に男性は彼を呼んで言葉を紡ぐ

「どんな困難な戦局でも、必ず論理的な最適解は有る、混乱して自棄になりそうな時ほど、それを忘れては不可(いけ)ないよ」

中島はその言葉に大きく頷いて、手を振り返した
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