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天命と共に 【文豪ストレイドッグス】 第三者目線

第5章 本編 第12章 たえまなく過去へ押し戻されながら


ーー結論を言おう、中島と谷崎の連携、そして、機転によって勝利した

そして、モンゴメリは不本意だが、捕らえていた者達を解放した

先刻いた横断歩道に放り出された谷崎達は突然変わった景色に茫然とするが、直ぐに辺りを見回し、捕らえられていた者達の姿を探した

其処に徳冨の姿があったーー

皆が安堵して駆け寄ろうとするが、近くに行けば行く程に不安に駆られていった

何故なら、今まで手当てもされずに放置されていたのだろうか、黒ずんだ血が顔や服にこびりついていたのが見えたからだ

その隣には先刻、出会ったばかりの白衣の男性と先刻、中島が写真で見た赤いドレスを身に纏った金色の長い髪の少女がいた

「徳冨さんっ!」

中島と谷崎、そして、意識を取り戻したナオミも近くへ駆け寄り、膝を曲げた

「直ぐに与謝野先生に見せないとっ!」

中島が徳冨を起こそうとするが、男性がその手を制して言葉を発する

「少年、直ぐに彼を起こさない方が善い、焦る気持ちは判るが、ゆっくりと起こしてあげてくれ給え」

「な、何故です?」

突如、告げられた男性の言葉に中島は彼を見つめながら眼を丸くして尋ねた

「私はこう見えて元医者だから判るのけれどね……彼は軽い脳震盪を起こしている、無理に起こすと危険だ」

「そ、そうでしたか……」

「嗚呼、今は小さな寄合の仕切屋中年だがね」

中島達に笑みを浮かべた男性は閃いたように声を上げた

「……処で、私の家は直ぐ其処だ……私が彼を連れ帰って診てあげようか?」

突然の提案に3人は互いに顔を見合わせるが、谷崎が首を横へ振った

「いえ、大丈夫です、探偵社に戻れば与謝野女医が居ます……それに、社長にも徳冨さんを頼まれていますから、俺が責任を持って連れて帰ります」

「社長?」

谷崎の言葉に男性は不思議そうに首を傾げた
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