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天命と共に 【文豪ストレイドッグス】 第三者目線

第5章 本編 第12章 たえまなく過去へ押し戻されながら


「しかし、今回……健次郎君は1人だった……それが主な敗因だと思います」

「太宰の言う通りだね……現に組合の長に徳冨は勝てなかった……昨日、現場に行った時、彼が長に反撃した痕跡があった」

江戸川は昨日を思い出すかのように静かに告げた

「……でも、徳冨が反撃出来た回数は……」

そして、この場に居る者達にも判りやすいように江戸川は手で数字を表した

「2回だ」

「徳冨が……たったの、2発だけ……ですか……」

江戸川に告げられた言葉が衝撃的だったのか、国木田が発した言葉は途切れ、そして、大宰は険しい表情のまま言葉を発した

「……それだけ、今回の敵は厄介、と言う事ですね」

大宰の言葉に国木田は暫しの後に言葉を発する

「……太宰の言う通りだ、俺は徳冨と共に戦ったことがある……いや、彼奴が初めて此処へ来た時から判っていた……」

そして、顔を上げた国木田は言葉を紡いだ

「徳冨は戦闘に慣れている……そして、銃にも、戦闘の才にも恵まれている……だが、彼奴でも勝てないとなると……今後は、相当厳しい戦いを強いられることになる……」

「嗚呼、それに組合の長も僕達と同じαだ……徳冨が圧を掛けられれば間違えなく本能的に追い込まれる……」

江戸川は厳しい表情で呟いた

「徳冨が戦うには、相手が悪すぎた……」

江戸川の言葉を最後に、この場に沈黙が訪れたーーしかし、それを破ったのは国木田だった

「ですが、今回……何故、徳冨が襲われたのでしょう……組合の狙いは敦だった筈、」

「その答は簡単だよ、」

その問いに答えたのは、太宰だった

「"健次郎君の第2性がΩだからだ"」

その言葉に心当たりがある者達が大半であるためか、目を見張らせる者や息を呑む者、または瞼を閉じて、沈黙する者も居れば、視線を逸らす者も居た

ーー各々が反応を示す中、太宰は静かに、徐に言葉を紡いだ
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