• テキストサイズ

【ヒロアカ】みんな誰かのヒーローで

第3章 《僕》のオリジン



「モブがモブらしくうっせーーー!!!」

「あー確か爆豪は…『雄英高』志望だったな」





担任の一言にクラスメート達がざわついた。

“雄英高”

そんな中、僕は怖気づき再び言葉を失ってしまった。




「…」

僕はもさもさの緑頭を抱え机の上にうずくまる。


「国立の?!今年偏差値79だぞ?!!」

「倍率も毎年やべーんだろ?!」

「そのザワザワがモブたる所以だ!模試じゃA判定!!俺は中学唯一の雄英県内!!」


かっちゃんはガタッと机の上に立ち上がった。


「あのオールマイトをも越えてトップヒーローと成り!!必ずや高額納税者ランキングに名を刻むのだ!!」





“オールマイト”

僕が1番憧れるヒーローだ。

彼はヒーロー界に颯爽と現れ、その実力で不動の人気を得る。

彼の登場以降、深刻だった敵発生率は年々低下し 存在そのものが“抑止力”とされ名実共に“平和の象徴”となった男だ!!




「あ!そういや、緑谷も雄英志望だったな」

「んな…?!」

先生、何でみんなの前で言っちゃうんだよ?!



「「「「「「え?!」」」」」」



バッと一斉にクラスメートは僕を見、そしてブブーッ!!と次々と盛大に吹き出した。



「はぁ?!緑谷ぁ?!ムリっしょー!!」

「勉強できるだけじゃヒーロー科には入れねーんだぞー!」

ははははははと皆の蔑むような笑い声が廊下まで漏れた。


…こんな風に言われることなんて想定済みだ。
アザミちゃんが「頑張ってね!」と言ってくれたことを思い出す。



「そんな規定もうないよ!前例がないだけで…」

「こらデク!!!」

「どわ?!」


BOOOOOM!!!と、個性を発動させたかっちちゃんが僕に襲いかかってきた。


「“没個性”どころか“無個性”のテメェがぁ〜〜何で俺と同じ土俵に立てるんだ?!」


目と口が天井に向かって釣り上がり、恐ろしい形相になっている。


「待っ…違う、待ってかっちゃん!
別に…張り合おうとかそんなの全然!本当だよ」


かっちゃんに追い詰められ僕は壁にへばりつく。


「ただ…小さい頃からの目標なんだ…それにその…」


震えながら言う僕は傍から見ればいじめられっ子で、かっちちゃんはいじめっ子だ。



/ 174ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp