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【ヒロアカ】みんな誰かのヒーローで

第2章 USJ襲撃事件



「そ!私、ここでバイトしてて!社割のヤツ!雄英高校から近くだよ」

その割引券をよく見ると普段見かけるようなクーポンではなく、アルバイト名が記載されており“猫柳アザミ”と印刷されていた。






「お!50%OFFになるじゃん!」

「いいんスか?俺ら貰っちゃって」

「いいのいいの!使って!
今日のお礼…なんて、ね。こんなのでごめんね



今日はありがとうっ!」

目を細め、いたずらっぽくニッと笑うアザミに、切島と上鳴は思わず頬を赤らめた。


「…い、いえッ!」

「え、俺が誘ったのは、そーじゃなくて…!」





―――キーンコーン カーンコーン…


「あ、チャイム鳴ったね!」

学校のチャイムの音が響き渡る。
アザミは1人すくっと立ち上がりスカートについたホコリを払う。

「こんな時間になっちゃったね!混雑も収まったし、またね!」

アザミは「3年の教室、ここから遠くって」と駆け出した。


「アザミさん!」
「アザミ姐さん!」

切島と上鳴の声にアザミは振り向くも「お金、ちゃんと返すからー!」と手を振り、あっという間に非常階段を駆け下り去ってしまった。










マスコミ騒動が落ち着き、生徒達は皆教室に戻ることができた。
また、先生達のマスコミへの対応も無事終わり、午後の授業が始まった。



「これより、飯田天哉が1のAの学級委員長の責務を全うします!

では、本日のホームルームは他の委員決めを行いたいと思います!」


委員長は緑谷から飯田に変わり、着々と委員決めが進んで行く。
副委員長の八百万百が黒板に委員名を書き出していくのを、切島はぼんやりと眺めていた。


(なんか、呆気なかったな…)


切島はまだマスコミ騒動の…ではなく、アザミと出会った余韻が抜けていなかった。


(…アザミさんと、また会えるといいな、なんて)


アザミと居た時間は数十分の事だったが、マスコミ騒動に巻き込まれ怒涛の時間だった。
長かったような、短かったような、不思議な感覚だ。


(きっと、また会えるだろうな。緑谷と爆豪の幼馴染だし)

切島はチラリと緑谷と爆豪を見る。

(幼馴染、か…)

緑谷と爆豪の話をするアザミの姿を思い出す。






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