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【ヒロアカ】みんな誰かのヒーローで

第5章 ◆◇短編*ミッドナイト夢 叶わぬ夢◇◆



 「雄英高校に色んな生徒がいるように、皆それぞれでいいの。皆、得意なことが違うから色んな職業があって、助け合って生きている。

誰かの苦手は、誰かの得意よ」

「……ふぅん」


 ちょっぴり納得出来なかったが、お姉ちゃんは私を自慢の妹だと思ってくれていると知り、ちょっと……いや、すごく。照れくさくて、嬉しい。


 「私もアザミに聞きたかった事があるのよ」

 「なに?」

 「私は18禁ヒーローなんて呼ばれてるけど、自分自身を恥じたり、端ないなんて思わないわ。誇りに思ってる。けど……

 身内のあなたは、どう思うのかしら?
やっぱり、こんな家族がいるのなん……むにっ」


 今度は私がお姉ちゃんの頬をつねる番だった。


 「何言ってるの!こんなに可愛くて綺麗で強くて優しいヒーローが私のお姉ちゃんで、

とーっても自慢だよ!!」


 だからこそ劣等感を抱いてしまうことはあるが。今はそれは黙っておこう。


 「本当に?」

 「本当に!!」

 「嫌じゃない?」

 「嫌じゃない!!
…今日はどうしたの?いつもなら“時代の最先端を行ってる者の宿命…!”とか言ってるくせに」


 お姉ちゃんらしくないよ。いつものお色気たっぷりで強気なお姉ちゃんがいい。そう言うとお姉ちゃんはふわっと私の頭を撫でた。


 「…………そっかあ」

 「?」


 ほんのり照れたような、お姉ちゃんの安心した顔が膝枕から見上げた胸の先にチラリと見えた。お姉ちゃんのこんな表情、ミッドナイトとしても先生としても見たことがない。

きっとこの顔は家族である…妹である私だけの特権だ。



 「それ聞いたら、安心してお腹空いちゃったわ!」


 さあさあ!ごはん食べよう!といつものお姉ちゃんに戻り、自分の膝枕から私を退かす(ああ、もうちょっと膝枕を堪能したかったのに…!)。そして私の手を引いて料理が乗っているテーブル席へ座らせた。


 「今日はね!アザミの好きな物ばかり作ったのよ!」

 「わ!美味しそう!頂きまーす!」


 私の好きな料理。
それは呑兵衛のお姉ちゃんにとって、酒のおつまみになるもの。




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